2010 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体-常誘電体“ナノオブリック構造"による巨大非線形応答材料の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Nano Materials Science for Atomic Scale Modification |
Project/Area Number |
22015007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 智明 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80509349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟窪 浩 東京工業大学, 総合理工学研究科, 准教授 (90219080)
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Keywords | 強誘電体 / 誘電体物性 / 傾斜構造 / コンポジット薄膜 |
Research Abstract |
本研究では、強誘電体-常誘電体"ナノオブリック構造"による巨大非線形応答材料の開発を目指している。具体的には、電界印加により誘電分極の非線形応答(チューナブル特性)を示す強誘電体チタン酸バリウム(BaTiO3)を、低誘電率常誘電体である酸化セリウム(CeO2)に三次元の配向を持って埋め込んだコンポジット構造(ナノオブリック構造)を作製し、その傾斜角とサイズの制御を狙う。これにより、従来にない大きな非線形応答の実現と高いQ値を目指す。 本年度はまず基礎実験として、ナノオブリック構造の成長起点と考えられるCeO2のファセット構造の観察と、チューナブル特性をもたらす強誘電体BaTiO3(またはBaTiO3と同じ結晶構造を有するPb(Zr,Ti)O3,(Ba,Sr)TiO3)の成長および誘電特性の結晶方位依存性について調べた。その結果、1.CeO2のファセット構造は、基板の種類(SrTiO3,YSZ,Al2O3)および基板の結晶方位によって大きく異なる事、2.CeO2の膜厚が薄い程、明瞭なファセット構造が形成されること、3.アニール処理により大きなファセット構造が形成される事、4.強誘電体の成長方位によって成長様式や残留歪み、誘電特性が大きく異なる事、5.ラマン分光を用いる事で強誘電体の配向評価が可能であること、が明らかになった。今後、CeO2ファセット構造上におけるBaTiO3の偏析過程の詳細を明らかにするほか、異なるファセット構造を用いてナノオブリック構造の傾斜角とサイズの制御を試みる。また、得られたナノオブリック構造の誘電特性をモデルと比較・検討する。
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Research Products
(11 results)