2010 Fiscal Year Annual Research Report
核融合プラズマ閉じ込め装置における堆積ダストの分析と水素同位体吸蔵の評価
Publicly Offered Research
Project Area | Tritium Science and Technology for Fusion Reactor |
Project/Area Number |
22017008
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
朝倉 伸幸 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (10222572)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 微小粒子・ダスト / プラズマ材料相互作用 / トリチウム蓄積 / ダイバータ / 重量密度分布 / 顕微鏡の画像解析 / 重水素量と脱ガス特性測定 |
Research Abstract |
真空容器内に堆積するダスト粒子の特徴を理解するため、JT-60Uトカマクの真空容器内で採集されたダスト試料〔約200カ所〕について、容器内での分布状況、粒子形状の分析、蓄積した水素同位体の測定を中心に研究を進めた。成果発表を、IAEA/FEC国際会議、トリチウム科学技術国際会議、プラズマ核融合学会などで行った。 1.容器内でのダストの分布状況を明らかにするため、異なるポロイダル位置で収集したダストの重量を計量し、単位面積あたりの重量密度を評価した。プラズマが照射されるタイル表面では、炭素の堆積層が成長する内側ダイバータで重量密度は多い(10-210mg/m^2)。一方、プラズマが直接当たらないダイバータ下の排気経路には、最も多い重量密度(2300-5100mg/m^2)が観測された。ダイバータ板の表面で損耗・再堆積が繰り返され微粒子として成長する過程と、プラズマ熱負荷の変化により再堆積層が熱膨張し剥がれ微粒子が発生する過程も考えられる。 2.ダストが吸着したフィルター表面をデジタル顕微鏡で撮影し、ダストの大きさと形状の分析を進めた。ソフトウエアを利用して多数のダストの認識を行い、粒子の平均直径の統計分布が採取場所により異なることを明らかにした。平均直径20μm以下の比較的小さいダストの上限値は、プラズマが当たるタイル表面よりも排気経路の方が増加し、大きなダストほどダイバータ下方へ移動しやすいことが明らかとなった。また、20μm以上の大きなダストも観測されたが、堆積層が剥がれた層状の構造と放射状に成長した形状の構造とに区別できる。トリチウム蓄積には吸着面積が重要となり、今後、内部構造の解析も新たに必要と思われる。 3.23年度の研究の準備として、ダストに蓄積された重水素量を定量化するためTDSによる脱ガス特性測定を試みた。少量のダスト(mg)でも測定可能であることを確認した。
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Research Products
(10 results)