2011 Fiscal Year Annual Research Report
核融合プラズマ閉じ込め装置における堆積ダストの分析と水素同位体吸蔵の評価
Publicly Offered Research
Project Area | Tritium Science and Technology for Fusion Reactor |
Project/Area Number |
22017008
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
朝倉 伸幸 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (10222572)
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Keywords | 微小粒子・ダスト / プラズマ・核融合 / プラズマ材料相互作用 / トリチウム蓄積 / ダイバータ / 重水素量と脱ガス特性測定 / JT-60Uトカマク |
Research Abstract |
核融合装置の真空容器内に堆積するダスト粒子の特性と水素同位体の蓄積量を評価するため、JT-60Uトカマクで収集されたダスト試料について、容器内でのポロイダルおよびトロイダル方向の分布状況、粒子形状の分析、蓄積した水素同位体の測定を中心に分析を進めた。 1.昨年度はダスト粒子のポロイダル分布を評価し、内側ダイバータ板の表面で数10倍多いこと、プラズマから隠れた領域(排気経路とタイル背後)に堆積したダストの重量は、プラズマ対向面で収集された総重量の数100倍に達することを明らかにした。本年度は異なるトロイダル位置で収集したダストの分析を進め、ダイバータおよび第一壁のトロイダル非対称性はそれぞれ最大3倍程度であることが明らかとなった。ダスト重量の面積あたりの密度は、W型ダイバータ開始6年後(2003年)の結果と比較して、3-10倍(ダストの総重量としては5-8倍)と増加しており、非対称性よりもトカマクの長時間放電を開始したため増加したことが要因と考えられる。 2.ダイバータに堆積したmg程度の少量のダスト中に蓄積した水素同位体量の測定方法を検討した。TDS分析の分析結果では、比較的高温(>500℃)での離脱が大きく、水素同位体の蓄積量は1.5x10^<21>(H2+HD+D2)/g程度、炭素原子あたりの水素同位体量(D+H)/Cは15%程度となる。JT-60Uは高温(150-300℃)での運転のため他の装置より共堆積量は少ないが、本研究により、ダスト中の水素割合は、炭素タイル表面に生成した再堆積層での値(10%以下)よりも大きいことが明らかとなった。 当該年度において、実験装置に堆積したダストの定量的な評価が完了し、ダストの形状特性などの分析が行われ物理過程の検討も進展した。今後、水素同位体の蓄積を評価するため有効表面積や水素同位体蓄積の深さ分析の研究などへ発展が必要である。
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Research Products
(8 results)