2010 Fiscal Year Annual Research Report
微小管と微小管制御因子の相互制御機構による分裂期紡錘体制御
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大杉 美穂 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00332586)
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Keywords | 分裂期紡錘体 / 微小管 / モーター分子 / 動原体 |
Research Abstract |
細胞分裂期(M期)の紡錘体・染色体の複雑で正確な動きは微小管の数や動態、形状(束化など)が協調的に変化することで実現している。本研究は、紡錘体形成に関わる分子と紡錘体微小管との関係について、「微小管の動態を制御すると同時に微小管の状態により局在や活性が制御される」という相互制御機構という観点から紡錘体の構造・機能制御機構を明らかにすることを目的としている。 本年度は主にキネシン8ファミリーに属する分裂期モーター分子Kif18Aについての解析を行った。Kif18Aはプラス端指向性のモーター分子である。その細胞内局在には動原体微小管のプラス端に分裂中期になると顕著に集積するという特徴があるが、そのメカニズムや意義は不明である。まず微小管重合/脱重合阻害剤や、動原体微小管の安定化/不安定化因子の過剰発現やRNAiによる発現抑制、または阻害剤による機能阻害実験を行い、Kif18Aの集積に必要な微小管プラス端の状態変化について検討を行った。その結果、微小管プラス端の安定化を引き起こすと、Kif18Aは速やかに微小管のプラス端に集積すること、またこのときの微小管は紡錘体微小管に限らずほぼ全ての微小管プラス端に集積することを見出した。またKif18Aの各種変異体を用いた実験を行い、Kif18Aのプラス端集積にはキネシン8ファミリーに特徴的なモーター領域の活性(プラス端からの微小管重合抑制活性)は必要ないこと、また他のプラス端指向性モーターにKif18Aのtail領域を融合することで、微小管プラス端への顕著な集積を誘導できることを示した。 また、AMPK gammaが微小管と動原体との誤った結合を修正する機構に関与することを見出した。
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