2011 Fiscal Year Annual Research Report
微小管と微小管制御因子の相互制御機構による分裂期紡錘体制御
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大杉 美穂 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00332586)
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Keywords | 分裂期紡錘体 / 微小管 / モーター分子 / 動原体 |
Research Abstract |
細胞分裂期(M期)の紡錘体・染色体の複雑で正確な動きは微小管の数や動態、形状(束化など)が協調的に変化することで実現している。本研究は、紡錘体形成に関わる分子と紡錘体微小管との関係について、「微小管の動態を制御すると同時に微小管の状態により局在や活性が制御される」という相互制御機構という観点から紡錘体の構造・機能制御機構を明らかにすることを目的としている。本年度は主に以下の2つの結果を得た。 (1)微小管脱重合阻害剤taxolで処理をした細胞は分裂期には比較的短い微小管で構成される星状体構造(アスター)を複数形成することが知られているが、その形成機序は不明であった。我々は昨年度、Kif18A/kinesin8のプラス端に集積には微小管の安定化が必要であり、taxol処理細胞内のアスター微小管のプラス端にはKifl8Aが顕著に集積していることを見出した。本年度は更に、このKif18Aの集積がアスター形成に必須であることを見出した。昨年度見出した知見とあわせ、論文として発表した。 (2)昨年度見出したAMPKγ発現抑制細胞における微小管と動原体との誤った結合の修正不全についてその詳細を解析し、AMPKγによる動原体微小管結合修正はAMPK複合体の活性とは独立の機能であることを示した。また、動原体微小管結合修正機構の要であるAurora BキナーゼはAMPK gamma発現抑制細胞においても活性を保っているが、染色体を紡錘体極から離す方向に働く力であるpolar ejection force依存的に動原体間の距離が広がり、その結果AuroraBがその標的である動原体外側に局在する基質のリン酸化効率が悪くなることを見出した。これらの結果を現在論文投稿中である。
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Research Products
(5 results)