2011 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂における細胞分裂装置の再編成機構
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 政充 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (50447356)
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Keywords | 細胞周期 / 中心体(SPB) / 減数分裂 / 分裂酵母 / サイクリン依存性キナーゼ / Poloキナーゼ / MAPキナーゼ / 細胞分化 |
Research Abstract |
本研究では、細胞分裂装置であるスピンドル極体(SPB;酵母で中心体に相当する構造)が減数分裂期にどのように再編成されていくのか、その分子機構の解明を目的として研究をおこなっている。具体的には、多くのSPB構成因子は組み換え期に一度消失し、その後に再局在する。本研究ではその分子機構を探求することで、配偶子形成過程である減数分裂において本現象がもつ生物学的重要性を明らかにして、減数分裂の細胞分裂機構を包括的に理解する。 当該年度においては、研究計画に則して(1)SPBタンパク質の経時的な局在プロファイルの作成、(2)SPBタンパク質の消失および復活を引き起こす分子メカニズムの解明、および(3)SPBタンパク質がSPBから消失する生物学的な意義の追及をおこなった。(1)においては、既知のSPBタシパク質が減数分裂期にどのような挙動を示すかをライブセルイメージングで調べ、包括的にカタログ化した。これによって、減数分裂時に消失するものとしないものなどのクラス分けをすることができ、各因子の機能解明に貢献するものと思われる。(2)MAPキナーゼがいくつかのSPB構成因子をリン酸化するかどうかについて検討を試みたが、MAPキナーゼの精製に問題があり、難航している、CDKがCdc31などをリン酸化するか追究したが、現状ではリン酸化の兆候は認められず、その他のキナーゼによるリン酸化などを検討する必要がある。(3)SPBタンパク質の消失をおこさないためにはPoloキナーゼをSPBに強制局在する必要があることをつきとめた。この状況下では、SPBの過剰複製が起きていることが分かった。すなわち、減数分裂における特殊なSPB制御は、2連続で起きる減数分裂におけるSPBの過剰複製を抑えるための特別なメカニズムである可能性を示唆しており、今後の研究の継続が望まれる。
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