2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷チェックポイント回復機構の解析:細胞は如何に細胞周期を再開させるのか?
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019011
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小西 昭充 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任助教 (50381877)
|
Keywords | DNA損傷 / 細胞周期 / 分子生物学 / ケミカルスクリーニング / 癌抑制 |
Research Abstract |
細胞はゲノムの恒常性を維持するために、細胞周期を厳密にコントロールしている。DNA損傷が起こると、チェックポイントが活性化しDNA修復を行うのと同時に細胞周期が停止する。しかし、細胞がどのようにしてDNA修復の完了を感知し、細胞周期を回復させいくのかの分子メカニズムについては、ほとんど分かっていない。我々は、これまでに損傷チェックポイントの非活性化に関与する分子(CTF;Checkpoint Termination Factor)を発見している。本研究では、(1)チェックポイント回復因子(CTF)の生理機能、(2)CTFがチェックポイントを回復させる分子機序、(3)DNA損傷回復経路の阻害はがん抑制に寄与するか?について明らかにし、細胞がDNA損傷の修復完了後に細胞周期を回復させる分子機序の解明を企図している。 本年度は、CTFの生理機能の解析を中心に、DNA損傷回復を阻害した場合に細胞機能に与える影響についての解析を行った。まず、CTFがどのようなDNA損傷に関与しているかを調べるために、RNAi法によりCTFの発現を抑制した細胞を用いて解析した。この結果、CTFはDNA二本鎖損傷、DNA複製ストレス等広範囲なDNA損傷においてチェックポイント回復に関与していることが明らかとなった。また、CTF特異的阻害剤による解析から、CTFの機能阻害が癌細胞株の増殖を著明に抑制することが判明した。
|