2011 Fiscal Year Annual Research Report
再生における細胞増殖のチェックポイントメカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019012
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川上 厚志 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (00221896)
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Keywords | モデル生物 / 再生 / 小型魚類 / 細胞死 / ゼブラフィッシュ / cloche変異体 |
Research Abstract |
細胞周期コントロールの概要が明らかになってきた一方で、実際の多細胞体でどのように細胞周期が制御をされているかまだよくわかっていない。多細胞体における細胞の供給システムを解明する上で、組織再生過程は非常に良い解析系となりうる。私達は、ゼブラフィッシュ幼若組織を用いた組織再生の研究から、ユニークな再生異常を示す変異体clocheを発見した。変異体では、幼生尾部の膜ひれの再生組織の細胞がアポトーシスを起こす。このことから、clocheでは、「再生的な」細胞増殖サイクルを持つ細胞の生存維持機構に異常があることが予想される。 これまでに、アポトーシスはメジャーな経路であるp53には依存しないこと、clocheの再生芽細胞はG1/S期で細胞周期が止まることなどを明らかにしたが、今年度以下の研究を進めた。 1) cloche変異体の再生芽アポトーシスの細胞自律性の解析:Clocheは細胞自律的に作用するかどうか両方向の示唆があり確定していない。そこで、尾部再生の系を用い、我々が昨年作製に成功したDsRedを常に発現するゼブラフィッシュを利用して、細胞移植によって細胞自律性の検討を行った。変異体と野生型の間の細胞移植実験を行った結果、再生細胞のアポトーシスは細胞非自律的に起こることが示唆された。さらに、別の血球系細胞欠損変異体でも、再生細胞のアポトーシスが起こることがわかり、再生細胞の生存にはCloche分子そのものではなく、細胞外の因子が重要であることが明らかとなった。 2) 再生細胞生存因子へのアプローチ:再生細胞生存因子の同定を目指して、clocheおよび野生型について高速シーケンサーを用いたトランスクリプトーム解析を行った。その結果、複数の候補となる遺伝子をリストアップすることができた。現在、これらについてノックダウン解析などによって、再生細胞生存因子の同定を進めている。
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[Journal Article] Filamin C plays an essential role in the maintenance of the structural integrity of cardiac and skeletal muscles, revealed by the medaka mutant zacro2012
Author(s)
Fujita, M., Mitsuhashi, H., Isogai, S., Nakata, T., Kawakami, A., Nonaka, I., Noguchi, S., Hayashi, Y.K., Nishino, I., Kudo, A.
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Journal Title
Developmental Biology
Volume: 361
Pages: 79-89
DOI
Peer Reviewed
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