2010 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂におけるAPC制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019013
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山本 歩 静岡大学, 理学部, 准教授 (70359082)
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Keywords | 細胞生物学 / 分子生物学 / APC / 減数分裂 / 染色体分配 / セントロメア / スピンドルチェックポイント |
Research Abstract |
配偶子形成に必須な減数分裂では体細胞分裂と異なり二回の染色体分配が起こり、この進行はAnaphase Promoting Complex(APC)ユビキチンリガーゼによるタンパク質分解によって制御されている。体細胞分裂ではAPCはCdc20とCdh1という異なる活性化因子によって制御されるが、減数分裂におけるAPCの制御機構の詳細は不明である。分裂酵母ではAPC活性化因子であるSlp1(分裂酵母のCdc20)、Ste9(分裂酵母のCdh1)および減数分裂特異的なAPC活性化因子であるFzr1/Mfr1が減数分裂の制御に重要な役割を果たしている。分裂酵母のこれら因子の減数分裂における機能差異を明らかにするために、それぞれの因子の基質との結合を酵母2ハイブリッドアッセイ法によって解析するとともに、それぞれの基質結合ドメインを交換したキメラ分子を作成し、細胞内で発現させ機能互換性を検討した。その結果、Slp1とSte9は同じ基質を認識できるが認識する結合に必要な配列が異なること、Fzr1はSlp1とSte9の一部の基質しか結合しないこと、同じ結合配列があったとしても基質によってそれら配列の結合への関与が異なること、またこれまで同定されていない未知の配列が結合に関与することが示唆された。さらにSlp1の阻害因子であるスピンドルチェックポイント因子Mad2について、その欠損が染色体と紡錘体微小管の結合形成に及ぼす影響を解析したところ、Mad2が欠損すると紡錘体と染色体との結合異常が増加することが判明した。この結果から、APCが紡錘体微小管と染色体との結合形成の制御に関与する可能性が考えられた。
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