2011 Fiscal Year Annual Research Report
ROCOキナーゼファミリーLRRK1による細胞質分裂制御機構
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 邦弘 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116375)
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Keywords | LRRK1 / PLK1 / 紡錘体配向 / 中心体 |
Research Abstract |
申請者らのグループは、MAPキナーゼ(MAPK)を中心としたシグナル伝達機構の解析を行って来た。これらのシグナル伝達経路は細胞機能の様々な局面で重要な役割を果たしている。最近我々は、MAPKKK様キナーゼドメインを持つROCOキナーゼファミリーLRRK1が、細胞分裂期に重要な役割を果たすことを見いだした。siRNAを用いて内在性LRRK1をノックダウンすると、細胞質分裂異常及びM期紡錘体の配向異常が生じる。そこでLRRK1による紡錘体配向制御の作用機序を検討したところ、LRRK1はM期キナーゼPLK1(Polo-like kinase 1)と相互作用し機能していることが明らかとなった。LRRK1はPLK1のPolo-boxドメインを介してPLK1と結合し、PLK1によってリン酸化される。我々は、PLK1によるLRRK1のリン酸化部位を同定し、この部位に対する変異体を用いた解析を行なった。その結果、PLK1によるLRRK1のリン酸化は紡錘体配向制御に必須であることを明らかにした。さらに、PLK1によってリン酸化されたLRRK_1は中心体に強く局在し、M期中心体成熟に重要であることを明らかにした。M期中心体成熟は、主に星状体微小管の形成に重要であることが知られている。星状体微小管は中心体から細胞膜へと伸び、細胞膜と相互作用することで"pulling force"を生じ、紡錘体の配向及び細胞内での位置決めに機能している。我々の研究から、LRRK1はPLK1とともにM期中心体成熟及び星状体微小管形成の制御に機能し、その結果、紡錘体配向を制御していることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)