2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂期におけるWntシグナル因子Dvlによる紡錘体形成の制御機構
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 英樹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20372691)
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Keywords | Wntシグナル / 細胞分裂 / 紡錘体形成 / Dvl2 / Plk1 / LRP6 / Frizzled2 |
Research Abstract |
Wntシグナルはβ-カテニンの安定化を介して遺伝子発現を促進するβ-カテニン経路とRhoやRacを介して細胞骨格や極性、運動を制御するβ-カテニン非依存性経路を活性化することにより、多彩な細胞機能を制御する。しかし、細胞分裂期におけるWntシグナルの役割は明らかにされていない。そこで、本研究はWntシグナル因子であるDvl2を介する紡錘体形成の分子機構を明らかにすることを目的としている。今年度に得られた知見は以下の4点である。 1)Dvl2は有糸分裂期特異的にPlk1と複合体を形成し、Dvl2の206番目のトレオニンがPlk1によってリン酸化された。さらに、Dvl2による紡錘体軸の制御においてそのリン酸化が必要であった。 2)Dvl2はPlk1のリン酸化依存性に微小管-動原体結合に関与した。 3)Dvl2がPlk1のリン酸化非依存性に紡錘体チェックポイントを活性化し、さらに紡錘体チェックポイントキナーゼの一つであるMpslの活性化、およびBubとBubRlの動原体集積に関与した。 4)紡錘体軸の制御にはWnt受容体のFrizzled2とβ-カテニン経路の共役受容体であるLRP6が必要であったが、β-カテニンによるTcfの転写活性化は必要ではなかった。 これらの知見は細胞分裂期におけるWntシグナル経路の新たな機能の一端を明らかにしたものであり、EMBO J.(Vol.29, 3470-3483, 2010)において発表した。
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Research Products
(5 results)