2010 Fiscal Year Annual Research Report
ORCのリン酸化による、細胞周期制御
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019028
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
水島 徹 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (00264060)
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Keywords | ORC / リン酸化 / 細胞周期制御 |
Research Abstract |
(1)細胞周期におけるOrc2p-Ser188のリン酸化状態の変化 我々は、Orc2pのSer188の脱リン酸化により、Gl期からS期へ細胞周期が進行する(DNA複製が開始する)こと、及びOrc2pのSer188の再リン酸化により、S/G2期において再複製開始が抑制されることを示唆している。このことを証明するために本年度我々は、リン酸化セリンを用いてSer188を含むOrc2p断片を合成し、ウサギに免疫し、特異的な抗体(リン酸化されたOrc2pのSer188を認識する抗体)を得た。この抗体を用いて検討した結果、CDK、あるいはサイクリンの温度感受性変異株において、Orc2p-Ser188のリン酸化が抑制されていることを見いだした。 (2)Orc2p-Ser188のリン酸化の細胞内での役割 上述のように我々は酵母細胞内でORC2-D(リン酸化状態を模倣したOrc2p-Ser188を含む変異ORC)を発現したとき、複製開始反応が阻害されることを見出している。そこでこの系において、複製開始反応がどの段階で停止しているかを検討した。ORC2-Dを発現したとき、個々の因子がorigin DNAに結合しているかをCHIP法で調べたところ、MCMのローディングが抑制されていることを見いだした。 一方我々はATPと結合できない変異ORCが細胞内で不安定であることを示しているので、同様のことがORC2-Dでも見られるのかを検討した。しかしながら、ATPと結合できない変異ORCの場合と異なり、ORC2-Dは細胞内で安定であった。
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Research Products
(3 results)