2011 Fiscal Year Annual Research Report
増殖と分化のスイッチング:細胞周期制御因子の非分裂細胞における新たな役割の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019031
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
広常 真治 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80337526)
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Keywords | 神経細胞 / mitotic kinase / 分化終末細胞 / 微小管ネットワーク / 細胞質ダイニン |
Research Abstract |
細胞分裂において中心体は微小管ネットワークの再編のかなめとして機能し、紡錘体形成に重要な役割を果たしている。なかでもAurora-A、Plk1などのmitotickinaseは微小管ネットワークの再編の制御因子として機能している。一方で、分化終末細胞である神経細胞は細胞分裂に向かうことはないがmitotickinaseは多く発現しておりその機能は不明であった。我々は後根神経節細胞を用いた実験からAurora-Aが神経細胞の神経突起伸展の際の微小管ネットワーク再編に必須であることを証明した。さらに、Aurora-Aの標的タンパク質であるNDEL1が協調して機能することを明らかにした。また、我々はAurora-Aが神経突起の進展だけでなく、発生期における神経細胞の遊走にも関与することを明らかにした。小脳顆粒神経細胞を用いた遊走実験から、遊走開始と同時にAurora-Aのリン酸化が亢進し、微小管の中心体からの進展が促進されることが分かった。逆に、Aurora-Aのノックダウン、阻害剤で抑制した時には有意に神経細胞の遊走が阻害されることが分かった。これらのことはmitotickinaseは細胞分裂だけでなく分化終末細胞においても積極的な機能があることが分かった。さらに、CDK5はAurora-Aの上位のリン酸化酵素として機能し、CDK5rap2を介してAurora-Aの中心体への集積を制御し、両者はNdel1を介して微小管のダイナミックスを制御し、神経細胞の遊走をコントロールしていることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経細胞におけるmitotic kinaseの役割を解明し、Aurora-Aが神経細胞において神経突起の伸展、神経細胞の遊走に関与することの解明に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
神経細胞における中心体の役割を更に掘り下げ、プロテオーム解析による構成因子の変化、構成因子の破綻と疾患との関連に研究を発展させたい。
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