2010 Fiscal Year Annual Research Report
始原生殖細胞による細胞増殖を介したエピゲノム情報の希釈と減数分裂能の獲得
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019037
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
関 由行 関西学院大学, 理工学部, 専任講師 (20435655)
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Keywords | 発生・再生 / エピゲノム / 生殖細胞 / 減数分裂 |
Research Abstract |
本研究では、始原生殖細胞の分裂回数とDNAメチル化及び減数分裂への移行の関係を明らかにすることを目的とし、1.始原生殖細胞におけるLINE-1領域の脱メチル化様式の同定、2.DNA脱メチル化と減数分裂関連遺伝子の発現誘導の関係に関わる研究を行った。 DNAのメチル化状態を検出する方法としてBisulfite-Sequencing法があるが、この方法だとStrandの違いを識別することができない。そこで、Hairpin Bisulfite Sequecing法を用いて、LINE-1領域の脱メチル化過程におけるstrandごとのメチル化動態を解析した。その結果、片方のstrand特異的に脱メチル化を受けるLINE-1H領域の頻度が顕著に高いことが明らかとなり、始原生殖細胞ではDNA複製依存的なDNA脱メチル化が誘導されている可能性が考えられた。 また、ES細胞にPRDM14を高発現させると多くの減数分裂関連遺伝子の発現誘導が観察された。PRDM14はDNAメチル化酵素であるDnmt3bの発現を抑制するため、PRDM14高発現ES細胞にDnmt3bを高発現させ、Dnmt3bの発現をレスキューしたところ、ほとんどの減数分裂関連遺伝子の発現抑制が観察されたことから、PRDM14がDNAの脱メチル化を介して減数分裂への移行を促進している可能性が推測される。 始原生殖細胞はレチノイン酸により減数分裂への移行が誘導されることが分かっていたが、本研究によって、始原生殖細胞特異的なエピゲノム情報がレチノイン酸に対する反応性獲得に関与している可能性が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)