2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期における染色体DNA複製の高次制御機構
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019039
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
田中 誠司 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助教 (50263314)
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Keywords | 細胞周期 / 染色体DNA複製 / 時間的制御プログラム / 複製開始 |
Research Abstract |
真核細胞において、染色体DNA複製は多数の複製起点から起きる。ゲノムに散らばって多数存在する複製起点の選択、複製起点活性化のタイミングやその核内配置は発生や分化の過程で著しく変化し、DNA複製の制御機構が多様で複雑かつ柔軟性を持ったシステムであることを示しているが、その制御システムの背後にどのような分子基盤があり、またそういった現象が生物にとってどのような意味を持つのかといった点については未だに不明なままである。本研究では出芽酵母をモデル系として用いて、DNA複製起点活性化の時間的制御プログラムの分子レベルでの実態の解明を目指している。平成22年度の研究では、DNA複製開始過程に関わるいくつかの因子の細胞内でのタンパク質分子数を解析した結果、いくつかの因子の数が、複製起点となりうるDNA領域の数よりもかなり少なく、これらの因子の特異的な分配・結合がタイミング制御の実体と関連があることを示した。実際、これらの因子を組み合わせて同時に高発現させると、タイミングプログラムの変化に伴う複製プロファイル変化が観察された。さらに、これらの因子の特異的な分配に、染色体DNA複製開始を司る2つのタンパクキナーゼのうちのひとつのキナーゼが関与していることを見いだした。今後は更なる解析を進め、時間的制御プログラムの解明を目指し、多細胞真核生物の発生・分化の過程で変化するDNA複製起点の制御プログラムの理解のための第一歩となることを目指す。
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Research Products
(9 results)