2010 Fiscal Year Annual Research Report
核膜孔複合体形成開始のトリガーとなるサイクリン依存性キナーゼターゲット分子の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019044
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今本 尚子 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 主任研究員 (20202145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船越 智子 (石井 智子) 独立行政法人理化学研究所, ライブセル分子イメージング研究チーム, 基幹研究所研究員 (90318460)
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Keywords | 核膜孔複合体 / 核膜孔複合体構成因子 / Pom121 / 低分子量GTPase Ran / インポーティン / 核内幕因子 / 細胞周期 / サイクリン依存性キナーゼ |
Research Abstract |
核膜孔は、約30種の構成因子(Nucleoporin, Nup)から成る巨大複合体である。分裂期染色体を足場とした分裂終期の核膜孔形成と、核膜を足場とした間期核膜孔形成では、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の関与に違いがあるため、CDKが司令すると考えられる形成の開始が異なると想像できるが具体的にはわかっていない。その形成開始に関与する因子の中に、本研究で同定を目指すCDKの基質があると考える、そのため、独自に樹立した間期核膜孔形成を可視化する解析系を用いて、複合体形成開始に必要な核膜孔複合体構成因子の同定を先ず試みた。その結果、膜貫通型の複合体構成因子Pom121をRNAiにより除去するとで、核膜上での核膜孔複合体形成が阻害されることがわかり、この因子が間期核膜孔複合体形成に必須の役割を果たすことがわかった。Pom121分子内領域を解析した結果、分子内には複数の核移行シグナル(NLS)と核内膜と相互作用する領域が存在することを見つけ、この2要素がPom121の間期の核膜孔局在に必要であることを明らかにした。その一方で分裂終期に形成される核膜孔局在にNLSは必須ではなかった。Pom121 NLSはImortin α介してImortin βと結合し、RCC1の温度感受性変異株tsBN2細胞を用いた解析から、Pom121がRan依存的に核膜に局在することがわかった。以上の結果に加え、Pom121の核内膜相互作用領域は核内膜タンパク質lamin B receptorと結合すること、全長Pom121が核内膜へ局在することから、Pom121が合成の場である小胞体から核膜孔を通過して核内へ輸送されて核内膜と相互作用することが間期核膜形成の第1ステップになるというモデルを提唱した。私たちが提唱したこの初期課程のどこにCDKが作用するのかを今後解析していく。
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Research Products
(10 results)