2010 Fiscal Year Annual Research Report
受精における膜タンパク質の選択的ユビキチン化と分解による細胞内秩序維持システム
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 健 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (30311343)
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Keywords | 線虫 / 受精 / エンドサイトーシス / 分解 |
Research Abstract |
研究代表者らはこれまでに線虫C.elegansの卵母細胞において働く一群の減数分裂期膜タンパク質が受精後,選択的にエンドサイトーシスされ,分解されることを明らかにしている.今年度はこの選択的分解に働く候補として同定した新規膜貫通型ユビキチンリガーゼについて解析を行った.まずこのユビキチンリガーゼとGFPを融合した融合タンパク質を生殖腺において発現する形質転換体を作製し,受精前後における細胞内動態について解析を行った.その結果,このGFP融合タンパク質は卵母細胞においては表層顆粒上に局在し,受精後には細胞膜へと移行すること,その後エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ分解されることが明らかとなった.この挙動は受精後に分解される基質の1つであるCAV-1タンパク質とよく似ており,受精前の表層顆粒上において基質があらかじめユビキチン化され,その後,選択的にエンドサイトーシスされる際の目印となっている可能性が示唆された.このユビキチンリガーゼに対する抗体を作製したので,現在,受精前後における内在性タンパク質の細胞内局在性等について検討中である.また,このユビキチンリガーゼのRING-CH fingerドメインを大腸菌において発現,精製し,基質タンパク質に対するユビキチンリガーゼ活性について解析を行ったところ,in vitroにおいてRING-CH fingerドメイン依存的に活性を持つことが明らかとなった.一方で,CAV-1とGFPを融合した融合タンパク質を発現する形質転換体を用いて,C.elegansにおいてユビキチン化に働くすべてのE2酵素に対してRNAiによる遺伝子ノックダウンを行ったところ,CAV-1-GFPの分解に関与する新規E2酵素の候補を見出すことに成功した.現在,このE2酵素とユビキチンリガーゼの関連性について解析を進めている.
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