2010 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質の膜組み込みの構造生物学
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚崎 智也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (80436716)
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Keywords | 蛋白質 / 膜蛋白質 / 膜組 / 膜透過 / 機能発現 / Sec / 構造解析 / 構造生物学 |
Research Abstract |
細胞におけるタンパク質の膜組み込み過程は,すべての生物に共通した必須の機構である。本研究では膜タンパク質の「機能発現システム」を詳細に理解する為に,真正細菌のタンパク質の膜組み込みに関わる膜タンパク質YidC(内膜への組込みに関与),BamA(外膜への膜組み込みに関与)の立体構造を決定し,その機能に迫ろうとしている。YidC,BamAとも葉緑体とミトコンドリアにそのホモログが存在する。膜組込みに関わるタンパク質群の各構成因子の立体構造情報は得られつつあるが,YidC,BamAのX線結晶構造解析の例は(ホモログも含め)未だない。大きな構造変化を伴う膜組み込み過程を解明する為には,YidC,BamAの立体構造情報が必要不可欠である。本年度は,YidC,BamA共にX線結晶構造解析に必要とされるmgオーダーでの精製系を確立し,結晶化のトライアルを進めた。YidCについては,構造解析が可能となる分解能のX線回折点が観測された。今後も継続してYidC,BamAの結晶化を進める。また,YidCと相互作用してタンパク質の膜透過・膜組み込みに関与するSecDF膜タンパク質の構造機能解析を平行して進め,「SecDFはproton-motive forceによってダイナミックな構造変化を繰り返しながら,ペリプラズム側で膜透過基質タンパク質と相互作用し,膜透過の高効率化に寄与する膜内在性シャペロンである」とのモデルを提唱した。
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