2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアネットワークを制御するGTPase群の分子機構
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020010
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石原 直忠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (10325516)
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Keywords | ミトコンドリア / 膜融合 / 膜分裂 / 膜ダイナミクス / オルガネラ |
Research Abstract |
ミトコンドリアは内部に自身のDNAを持っており、核ゲノム及びミトコンドリアゲノムの両方にコードされたミトコンドリア蛋白質が正しく輸送され複合体を形成してその機能を発揮することができる。2重膜構造のミトコンドリアの構造はダイナミックであり、融合によって均質なミトコンドリアネットワークが細胞内に張り巡らされ、逆に分裂により独立したミトコンドリアが細胞内に分散する。ミトコンドリア膜の融合及び分裂はそれぞれに機能するGTPase群によって制御されており、このバランスが変化することで個々のミトコンドリアの特性が変化する。申請者はこれまで哺乳動物ミトコンドリアの融合・分裂に機能するGTPase群とその関連因子を同定し、分子機構詳細及びその生理機能の解析を続けている。今回、ミトコンドリア分裂の分子機構を理解する目的で、細胞質に局在するGTPaseであるDrp1、及び外膜の膜タンパク質Fis1の機能解析を行った。外膜のFis1はこれまでDrp1のミトコンドリアへの局在化に機能すると考えられていたが、我々はFis1の発現を抑制してもDrp1のミトコンドリアへの局在化に大きな影響を観察することはできなかった。そこで次にFis1の機能を理解する目的でFis1に結合する因子の同定を行ったところ、rabのGTPaseの制御に機能すると考えられる因子を同定した。この因子はFis1の機能に依存してミトコンドリアに局在化すること、またその発現抑制によってミトコンドリアの形態に大きな変化を誘導することも明らかになった。この新しいFis1結合因子はDrp1とは独立にミトコンドリアの形態制御に機能していると考えられる。これらの結果から、Fis1の新しいミトコンドリアにおける機能を提唱することができた。
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