2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質内シャペロンネットワークにおけるスモールヒートショックプロテインの機能
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020011
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
養王田 正文 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50250105)
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Keywords | シャペロン / sHsp / 分裂酵母 / フォールディング / 古細菌 / 構造変化 / Hsp90 / 磁性細菌 |
Research Abstract |
sHspは生物界に普遍的に存在する分子シャペロンであり、変性タンパク質の不可逆的凝集を抑制する機能を持つ。通常の温度条件下では、分子量12~43kDaのサブユニットが大きなオリゴマーを形成しており、熱によってそのオリゴマー構造が可逆的に解離する。解離したsHspは疎水性表面を露出し、変性タンパク質と相互作用することでその凝集を防ぐと考えられている。本年度は、超好熱性古細菌、分裂酵母と磁性細菌のsHsp及びsHspと協調して機能するタンパク質の機能の解析を行った。超好熱性古細菌Thermococcus sp.KS-1においてsHspの遺伝子と隣接した遺伝子にコードされているAAAタンパク質に着目し、その発現と機能解析を行った。磁性細菌Magnetospirillum magneticum AMB-1のゲノムには3つのsHsp遺伝子が存在した。分子量からそれぞれHsp17.8、Hsp17.5、Hsp18.3と命名し、発現して機能及び構造解析を行った。いずれも分子シャペロンとして機能していたが、Hsp17.8は球状のオリゴマーを形成しているのに対し、Hsp17.5、Hsp18.3は巨大なフィラメント構造を形成していた。これまでにもsHspがフィラメント構造を形成する報告はあるものの、タンパク質の凝集抑制能を有するものとしては、初めての例である。分裂酵母については、協調して機能する分子シャペロン群に着目し、Hsp90の機能構造解析を継続するとともに、in vivoでのシャペロンネットワーク解析でのシャペロンネットワーク解析を目的にHsp70、40及び104の分裂酵母での発現系の構築を行った。
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