2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質内シャペロンネットワークにおけるスモールヒートショックプロテインの機能
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020011
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
養王田 正文 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50250105)
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Keywords | シャペロン / sHsp / 分裂酵母 / フォールディング / 古細菌 / 構造変化 / AAAタンパク質 |
Research Abstract |
超好熱性古細菌Thermococcus strain KS-1(TKS1)における、スモールヒートショックプロテイン(sHsp)と他の分子シャペロンとの協調機構解明を目的に研究を行った。超好熱性古細菌に存在する分子シャペロンの中で、タンパク質フォールディング活性が確認されているのはグループ2型シャペロニン(CPN)だけである。我々は、以前、プレフォルディン(PFD)が変性蛋白質を捕捉後、CPNに受け渡し、CPNがATP依存的にフォールディングを行う協調機構を明らかにしている。そこで、PFD-CPNシステムとsHspの協調機構を解析した。その結果、以下のような協調機構が明らかになった。高温条件下において、sHspは複合体が解離することで変性状態の基質を捕捉し凝集を抑制する。その後、低温に温度変化すると、解離状態から再び複合体を形成することで基質がはずれ、CPNがその基質を捕捉しATP依存的にフォールディングを行う。sHspはPFDとは協調することはなく、条件や基質により使い分けられていることが示唆された。また、最近、T.KS1の近縁種であるT.kodakaraensis KOD1株において、AAAタンパク質をコードする遺伝子がsHsp遺伝子と隣接して存在し、同時に転写制御されることが報告された。我々は、このAAAタンパク質が超好熱性古細菌においてsHspと協調して機能していると考え、TKS1からこのAAAタンパク質(TKS1-cdcA)の遺伝子をクローニングし、大腸菌で発現させた。精製したTKS1-cdcAの構造をHPLCのゲル濾過クロマトグラフィーと透過型電子顕微鏡を用いて解析したところ、6量体リング状構造を形成していることが明らかとなった。また、他のAAAファミリータンパク質と同程度のATPase活性を有していた。さらに,クエン酸合成酵素やIPMDHをモデル基質とした、変性タンパク質の凝集抑制能及びリフォールディング活性などを解析した。
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