2010 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド線維の伝播によるタンパク質社会の秩序破綻と回復機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020015
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
樋口 京一 信州大学, 医学系研究科, 教授 (20173156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤下 仁子 信州大学, 医学系研究科, 助教 (40359732)
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Keywords | アミロイド / 線維構造 / 伝播 / ペプチド / Hsf1 / マウス / チーター / apoA-II |
Research Abstract |
アミロイドーシスはタンパク質が微細線維構造に変換・凝集し生体に障害を与える一群の『タンパク質異常構造病』の総称である。アミロイド線維の『伝播』による『タンパク質社会の秩序破綻』の分子的メカニズムを解明し、生体での全体像を明らかにするのが本研究の目的である。本年度の研究成果は、 1.マウス老化アミロイドーシスの沈着蛋白質であるapoA-IIの疎水性のC末端と無構造のN末端ペプチドを用いた、AApoAIIアミロイド線維の試験管内線維形成システム(Sawashita,BBA 2009)の反応条件を変化させ、マウスでの伝播性を示す線維を作成した。さらに我々が発見したF型apoA-IIのアミロイド線維形成能が,in vitroでも、生体でも非常に低いことを明らかにし、中間体で構造変換が起きないことがアミロイド抵抗性の原因であることを示した(Sawashita論文作成中)。現在はF型ペプチドのC末端ペプチドを用いた、生体での伝播抑制効果を調べている。 2.我々はアミロイド沈着がHSF1(Heart Shock Factor 1)の活性化を介して細胞内でのheat shock response (HSR)を誘導し、アミロイドーシスの発症を調節することを明らかにした。特に心臓では顕著で、Hsf1ノックアウトマウスでは心肥大と機能不全が促進され、逆にトランスジェニックマウスでは抑制されることを示した(Qian論文作成中)。 3.AAアミロイドーシスの個体間伝播が示唆されたチーター(Zhang et al PNAS, 2008)のSAAの遺伝子の構造解析を行った。
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