2010 Fiscal Year Annual Research Report
レクチンとシャペロンを介した小胞体タンパク質の品質管理
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細川 暢子 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (00263153)
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Keywords | タンパク質品質管理 / 小胞体 / レクチン / 分子シャペロンタンパク質 / 小胞体関連分解 |
Research Abstract |
細胞内で生合成されたタンパク質が正しく機能するためには、正しい高次構造を形成する必要がある。タンパク質のフォールディングを助けると共に、タンパク質の高次構造を見分けて不良品タンパク質を分解するシステムは、タンパク質の品質管理機構と呼ばれている。本研究課題において、小胞体で生合成されたタンパク質の構造異常が、どのようにして小胞体シャペロンやレクチンによって認識されるのか、またミスフォールドしてしまったタンパク質をいかにして分解システム(小胞体関連分解、ERAD)に受け渡すのかを解明することを目的とした。小胞体におけるタンパク質の品質管理機構、特に糖タンパク質の品質管理において、フォールドしていないペプチド鎖と、特定の構造をもったN結合糖鎖の、2つのシグナルが必要である。本研究において、新規小胞体レクチンXTP3-Bが認識する糖鎖構造をFAC (Frontal affinity chromatography)法を用いて生化学的に解明することができた。また、XTP3-Bが認識する糖鎖構造の持つ意味を細胞生物学的にも明らかにする事ができ、その結果、XTP3-Bはフォールディング途上にある糖タンパク質が間違って分解されてしまわないように保証する機能を担うレクチンであることが明らかになった。さらに、内在性のXTP3-Bタンパク質を検出し、SEL1Lタンパク質との結合を介して、小胞体膜上の品質管理複合体に含まれることも明らかにする事ができた。
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