2010 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド異常凝集体の形成機構と制御
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 祐児 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (40153770)
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Keywords | アミロイド蛋白質 / 脳神経疾患 / 透析アミロイドーシス / 脳神経疾患 / アルツハイマー病 / 糖尿病 / 蛍光顕微鏡 / NMR |
Research Abstract |
蛋白質は、アミロイド線維に代表される異常凝集体を形成して蛋白質社会の秩序を破綻させ、ひいては生命を脅かす。蛋白質社会を理解するには、「アミロイド線維の構造や形成機構をリアルタイムと原子レベルの分解能で解析し、線維形成の分子基盤を解明すること」が必要である。「超音波処理を用いた微細均質アミロイド粒子作製法」、「重水素交換-NMR解析」、「全反射蛍光顕微鏡を用いた一線維・リアルタイム解析」などと組み合せることにより、アミロイド線維の立体構造と構造物性、アミロイド線維の形成機構を解析した。材料としてβ2ミクログロブリン、アミロイドβ、Islet Amyloid Polypeptide、ケラトエピセリンなどを用いた。 1.NMRによる構造解析:超音波処理を利用によって分子量200万の微細均質アミロイド線維を作製する方法を開発した。特にβ2ミクログロブリンのアミロイド線維に適用して、アミロイド線維の構造と揺らぎの解析をおこなった。その結果、N末端領域が壊れた構造をとっていることを明らかにした。 2.全反射蛍光顕微鏡を用いて、アミロイド線維の形成反応や伝播現象を、一線維レベル、リアルタイムで解析した。Islet Amyloid Polypeptideにおいて、アミロイド線維形成と不定形凝集の関係を明らかにした。 3.ルーザー照射によってアミロイド線維の破壊が可能であることを角膜変性症の原因となるケラトエピセリンのアミロイド線維を用いて示した。これを発展させ、アミロイドーシス治療の新たな基盤を構築する。
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