2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の生産・品質管理の場としての小胞体網状構造の形成とその意義
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020027
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
近藤 久雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20205561)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十津川 剛 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (90399684)
時田 公美 九州大学, 大学院・医学研究院, 学術研究員 (50415296)
|
Keywords | 小胞体 / 膜融合 / p97ATPase |
Research Abstract |
小胞体はタンパク質の産生・品質管理の場であり、細胞の根幹をなす細胞内小器官である。その形態は大変に特徴的で、細胞質全体に拡がる網状構造を示す。それらの構造は下等生物から哺乳類まで幅広く見られることから、その複雑な構造はその機能であるタンパク質の産生・品質管理と密接に結びついていると考えられる。そこで本研究では、以下の二点を明らかにすることを目的として研究を行っている。 I.小胞体の、チューブ状膜が分岐して形成する特徴的な網状構造が、どの様に形成・維持されるのか。 II.その網状構造がタンパク質の生産・品質管理という小胞体の機能とどのように関連しているのか。 本年は、上記のうちIについて主に研究した。まず最初に、ゴルジ体の膜融合に働くp97/p47経路とp97/p37経路が小胞体膜の融合にも働くことを、試験管内における小胞体再構成系で明らかにした。さらに、VCIP135がゴルジ体膜の融合ではp97/p47経路とp97/p37経路の両方で必要なことは分かっていたが、今回、小胞体膜の融合でもp97/p47経路とp97/p37経路の両方で働くことを明らかにした。興味深いことに、VCIP135の脱ユビキチン化活性は小胞体膜の融合では必要でなかった。加えて、VCIP135に結合してその脱ユビキチン化活性を促進する因子として、我々はこの程にp87を同定している。このp87はゴルジ体の膜融合では必須であったが、この小胞体の膜融合では機能してなかった。このことは、小胞体の膜融合ではVCIP135の脱ユビキチン化活性が必要でないことと一致する。
|
Research Products
(2 results)