2011 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラ間相互作用を介したタンパク質の品質管理機構
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020034
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30179569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 弘樹 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (10294448)
谷 佳津子 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (40266896)
|
Keywords | 組織・細胞 / 小胞体 / 蛋白質 / 膜輸送 |
Research Abstract |
小胞体膜タンパク質であるBap31は、分泌系膜タンパク質の小胞体からの輸送および分解(ERAD)を調節しており、小胞体の周辺部と核近傍領域の間を微小管依存的に循環していると考えられている。ERADを司るプオテアソームは核近傍領域に集積していることから、我々は、Bap31は小胞体内を循環しながらERAD基質を核近傍の領域に位置する品質管理コンパートメントに輸送しているという仮説を提唱している。Bap31はBap29と結合していることが報告されていることから、抗体を作製してBap29の循環を調べたところくBap29はBap31とともに小胞体内を循環していることが判明した。RNAi法によってBap31の発現を抑制するとBap29は循環しなくなった。この結果は、Bap31が細胞周辺部から核近傍への移動(微小管のマイナス端への移動)を担っている可能性を示唆する。現在この点について確認と更なる解析を進めている。ERAD基質CD3δの分解に関しては、Bap31の発現抑制は分解をやや促進し、一方、Bap29の発現抑制は分解に影響を与えなかった。 Bap31は小胞体-ミトコンドリアを連結し、アポトーシスの調節にも関与していることが最近報告されている。Bap31を介した小胞体-ミトコンドリア結合機構の解明をするために、我々はBap31結合タンパク質の同定を進めている。Bap31の結合候補として同定したプロヒビチンは、共発現系ではBap31との結合は確認されなかった。プロヒビチンはミトコンドリアの内膜に存在するので、外膜に存在するタンパク質を介して結合する可能性も考えられ、現在、候補として同定した外膜タンパク質との結合実験を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の計画研究以外に、別の角度からのオルガネラ間の相互作用を介したタンパク質の品質管理機構の研究も進展した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究体制がより整ったので、今後はさらに研究を推進できると考えている。
|