2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖認識を介したタンパク質社会の秩序維持機構の構造基盤の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
22020039
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
神谷 由紀子 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特任助教 (00527947)
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Keywords | 糖鎖 / レクチン / 積荷輸送 / 小胞体関連分解 / 立体構造解析 |
Research Abstract |
積荷輸送体の標的糖タンパク質結合様式の解明 小胞体-ゴルジ体間における標的糖タンパク質の輸送は、細胞内レクチンERGIC-53による糖鎖認識と、Ca^<2+>結合型EFハンドタンパク質MCFD2によるポリペプチド鎖認識が協働することにより担われていると想定している。H22年度はERGIC-53とMCFD2の複合体による標的糖タンパク質との相互作用の実体を明らかにすることを目指した。ERGIC-53とMCFD2複合体は血液凝固因子第VIII因子(FVIII)の輸送に関わることが知られている。そこで、ERGIC-53・MCFD2複合体と、FVIIIの部分ペプチドとの間の相互作用をNMRを用いて解析した。その結果、ERGIC-53との結合に伴って、MCFD2のFVIIIとの結合能が上昇することが示唆された。また、FVIII上のERGIC-53とMCFD2複合体が結合する領域を明らかにすることにも成功した。 高マンノース型ライブラリーを用いた糖鎖分解酵素の糖鎖認識メカニズムの解析 糖タンパク質の細胞内運命決定機構の仕組みを理解するためには、糖鎖のプロセシングに関わる酵素の分解特性を明らかにすることが重要である。糖タンパク質の小胞体関連分解に関わる糖分解酵素EDEM1の基質特異性を明らかにするために、本酵素を過剰発現させた細胞に発現する糖鎖の構造解析を行った。その結果、EDEM1は、高マンノース型糖鎖のCアーム末端に存在するα1-2結合のマンノース残基を切除する特異性を有することが明らかとなった。EDEM1により産生された糖鎖の構造は、分解レクチンであるOS-9が特異的に結合するものである。このことから、糖タンパク質を小胞体関連分解へと導く高マンノース型糖鎖の中間体構造は、EDEM1によって産生されることが示された。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] EDEM1 accelerates the trimming of α1,2-linked mannose on the C branch of N-glycans2010
Author(s)
Hosokawa, N., Tremblay, L.O., Sleno, B., Kamiya, Y., Wada, I., Nagata, K., Kato, K., Herscovics, A
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Journal Title
Glycobiology
Volume: 20
Pages: 567-575
Peer Reviewed
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