2010 Fiscal Year Annual Research Report
濾胞状樹状細胞上のIgA受容体を介した粘膜免疫応答制御機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本多 伸一郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60360640)
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Keywords | 濾胞状樹状細胞 / 粘膜免疫 / Fc受容体 / IgA |
Research Abstract |
Fcα/μR欠損マウスではT細胞非依存性(TI)抗原のFDCによる抗原捕捉が亢進し、胚中心形成を始めとする液性免疫応答の亢進が認められる。Fcα/μRはパイエル板などに存在する活性化FDC上に発現が認められるが、申請者はFcα/μR欠損マウスにおいて血中IgAが増加しており、この増加が腸管常在菌の排除、またはFDC上でのFcα/μRの発現還元によって消失することを見いだした。よってパイエル板FDC上に発現するFcα/μRがTI抗原を含有する腸管常在菌由来抗原に対するFDCの活性化、ひいては血中IgA産生を制御していると考えられる。本研究は、1.Fcα/μRによるFDCの活性化制御機構、および2.粘膜免疫系と腸管常在菌との共生関係におけるFDC活性化の時空間的制御機構を明らかにすることを目的とする。 本年度はリンパ組織からCD45陰性FDC-M2陽性細胞を分画する手法を確立し、採取された細胞が機能的にFDCであることを確認した。また、この細胞分画上にはTLR2やTLR4が発現しており、lipopolysaccharides(LPS)の投与に伴ってCD54以外の数種類の膜分子の発現が変化することを見いだした。これらの分子はFDC活性化マーカーの候補分子として、FDCの活性化を検討する上で有用であると考えられる。
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