2011 Fiscal Year Annual Research Report
Sox型転写因子によるT細胞応答と炎症の制御
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021008
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
山下 政克 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム医学研究室, 室長 (00311605)
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Keywords | Sox4 / Sox5 / アレルギー性炎症 / Th2細胞 / TGFβ / GATA3 |
Research Abstract |
Sox型転写因子の中でSoxCファミリーに属する転写因子、Sox4のヘルパーT細胞サブセット分化における役割を解析した。Sox4は、ナーブCD4 T細胞に高発現しており、TCR刺激やIL-4刺激で発現が低下すること、TGFβ刺激で発現が誘導されることを見出した。欠損(Ko)マウスおよびトランスジェニック(Tg)マウスの解析から、Sox4はTh2細胞分化を抑制し、Th1細胞の分化を促進することを明らかにした。Sox4 KoマウスではOVA誘発アレルギー性気道炎症の好酸球浸潤や気道過敏性の亢進などの病態が増悪したのに対し、Sox4 Tgマウスでは、その症状が改善した。また、Sox4はTh2細胞分化のマスター転写因子であるGATA3と直接結合して機能を阻害することが分かった。Sox4によるTh2型免疫反応抑制作用の一部は、このGATA3機能の阻害によるものである可能性が考えられた。 この研究により、Sox型転写因子がヘルパーT細胞の分化、機能を調節しうることが初めて示された。前述したようにSox4はTGFβ刺激で発現が誘導されることから、今後は、制御性T細胞やTh9細胞の分化・機能における役割について解析を行っていく予定である。 また、ヘルパーT細胞サブセットにおいて特徴的な発現パターンを示すSox型転写因子としてSox5を見出した。Sox5は、in vitroで分か誘導したTh17細胞やTfh様細胞に高発現していることから、これらの細胞で何らかの役割を担っていることが予想された。そこで、Sox5 flox/floxマウスをCD4 Cre Tgマウスと交配しT細胞特異的Sox5欠損マウスを作製し、現在解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Th2細胞分化とアレルギー炎症におけるSox4の役割解析に関する論文のリバイス実験に時間を取られ、その他のSox4のT細胞における役割解析の研究の進行が遅くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、制御性T細胞やTh9細胞の分化・機能におけるSox4の役割について解析を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)