2010 Fiscal Year Annual Research Report
T系列細胞群の分化・機能におけるカルシウム流入制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021014
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大洞 將嗣 東京医科歯科大学, 歯と骨のGCOE拠点, GCOE拠点形成特任教員 (40351506)
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Keywords | カルシウム / T細胞 / 制御性T細胞 / iNKT細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、様々なT系列細胞(T細胞、制御性T細胞、iNKT細胞)の分化や機能におけるカルシウム流入-カルシウムシグナルの制御機構と役割を解明することである。本年度は以下の解析を行った。 1.CD4(+)CD8(+)胸腺T細胞におけるカルシウム透過性チャネルの発現パターンを調べた結果、TRPC、TRPM、TRPVや電位依存性カルシウムチャネル等、様々なチャネルが発現していることを発見した。さらに、胎児胸腺組織培養を用いて、各チャネルに対する阻害剤を用いて、T細胞の分化に対する影響を検討したところ、高濃度の2-APBを用いた場合にのみT細胞の分化が阻害された。この結果から、ストア作動性カルシウム流入に加えて、小胞体上のIP3受容体からのカルシウム放出、あるいはTRPCチャネルがT細胞の分化に重要であることが考えられた。 2.STIM1とSTIM2の2重欠損マウスにおける制御性T細胞の分化を詳細に解析したところ、Foxp3の発現後、CD25の発現が維持されず、Foxp3(+)CD25(-)の集団になっていることが明らかとなった。また、iNKT細胞の分化はCD24陽性のstageOで止まっていることが明らかとなった。さらに、自己反応性アゴニストで選択されるCD8αα陽性腸管上皮細胞間リンパ球の分化も阻害されていることが判明した。これらの結果から、2重欠損マウスでは自己反応性アゴニストで選択されるT細胞系列の分化が特異的に阻害されていることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)