2011 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞に依存しない新たな補助シグナル分子機能の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021016
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 昌章 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20372443)
大野 建州 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80435635)
|
Keywords | 免疫 / 補助シグナル分子 / T細胞 / 免疫制御 |
Research Abstract |
T細胞補助シグナル分子研究は、T細胞上に発現される補助シグナル分子受容体と抗原提示細胞上に発現されるリガンド分子による抗原特異的適応免疫応答に焦点が当たってきたが、本研究では、免疫細胞ではなく組織細胞上に発現される補助シグナル分子リガンドとランゲルハンス細胞あるいはミエロイド系細胞に発現誘導される補助シグナル分子受容体との結合によるT細胞非依存性の免疫応答への関与に注目し検討することで、補助シグナル分子の新たな機能的役割を明らかにすることを目的とした。 プロジェクト1:角化上皮細胞に発現誘導される免疫抑制補助シグナル分子B7-H1(CD274)の機能を明確にする目的で、B7-H1トランスジェニックマウス(Tg)を作成した。化学発癌物質メチルコラントレンにより誘導される早期皮膚炎症と発癌を検討したところ、皮膚炎症はB7-H1:PD-1経路依存性に抑制されたが、上皮発癌率は有意に増加した。B7-H1過剰発現上皮細胞では、上皮間葉移行に関連する接着分子カドヘリンや転写因子発現に変化がおきており、B7-H1による内因性のシグナルが上皮細胞に悪性転化に至る変化を与えた可能性が示された。 プロジェクト2:我々が報告したB7-H3の新規受容体Tlt-2は、T細胞におけるTlt2の発現と機能的関与は少なく、マクロファージなどのミエロイド細胞上に恒常的な発現が認められることから、Tlt2の機能を明確にする目的で、Tlt-2欠損マウスの作出に取り組んだ。Tlt-2欠損マウスにいて、胸腺、脾臓、リンパ節、骨髄、腹腔内細胞における免疫細胞構成比に明らかな違いは認められなかった。ヒトにおいては、Tlt-2とB7-H3は結合しないという論文が発表されたが、我々はヒトにおいてもTlt-2とB7-H3は結合し、この結合はマウスと同様T細胞機能増強に働くことを新たに示した。
|
Research Products
(5 results)