2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己反応性B細胞の分化・機能成熟制御システムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021030
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡崎 拓 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 教授 (00362468)
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Keywords | 免疫学 / 自己免疫疾患 / I型糖尿病 / ゲノム / 疾患モデル動物 |
Research Abstract |
免疫抑制受容体PD-1を欠損させたマウスは、BALB/c系統において自己免疫性胃炎を自然発症するが、本胃炎の発症には、抗体遺伝子のクラススイッチ組換えと体細胞突然変異が必須であることを、これまでの研究において明らかとしている。本研究では、BALB/c-PD-1欠損マウスに発症する胃炎をより詳細に解析することにより、PD-1がどういった細胞のどういった機能を抑制することにより、自己反応性8細胞の分化、活性化、機能成熟等を制御し、自己免疫疾患の発症を抑制しているのかを明らかとすることを目的としている。 平成22年度には、より重症の胃炎を自然発症するNOD.H2b-PD-1欠損マウスの脾臓細胞およびリンパ節細胞をミエローマ細胞と融合し、胃壁細胞特異的な自己抗体を産生するB細胞ハイブリドーマを3種類樹立することに成功した。今後、これらのハイブリドーマより自己抗体を大量に精製してマウスに投与し、自己免疫性胃炎の惹起を試みる予定である。また、NOD.H2b-PD-1欠損マウスと抗体遺伝子のクラススイッチ組換えと体細胞突然変異が全く起こらないAID欠損マウスとの交配実験を開始した。 上記に加え、PD-1とは別の免疫抑制受容体であるLAG-3という分子が、PD-1と協調して自己免疫疾患の発症を制御していることを見出し、両分子による協調的な役割について解析した。その結果、PD-1とLAG-3が相加的にT細胞の抗原刺激による活性を抑制すること、また両分子を欠損する場合でも制御性T細胞の機能には大きな異常が認められないことを明らかとした。
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Research Products
(16 results)