2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己反応性B細胞の分化・機能成熟制御システムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021030
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡崎 拓 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 教授 (00362468)
|
Keywords | 免疫学 / 自己免疫疾患 / I型糖尿病 / ゲノム / 疾患モデル動物 |
Research Abstract |
本研究は、免疫抑制受容体PD-1を欠損させたマウスが発症する自己免疫疾患について、それらの発症機序を解析することにより、PD-1による自己反応性B細胞の制御機序、ひいては自己免疫疾患発症制御機構を解明することを目的としている。これまでに、BALB/c-PD-1欠損マウスにおける自己免疫性胃炎の発症には抗体のクラススイッチと親和性成熟が必須であるという結果を得ている。より重度の胃炎を発症するNOD.H2b-PD-1欠損マウスにおいてクラススイッチと親和性成熟の関与を検討したが、マウスの飼育環境が変化したためか、胃炎の発症頻度と重症度が大幅に低下しており、明確な結果が得られなかった。そこで、PD-1と協調的に自己免疫疾患の発症を制御することを近年見出したLAG-3について、LAG-3の機能を時間特異的に阻害する目的で抗マウスLAG-3モノクローナル抗体の作製を試みた。その結果、既に報告されているものよりもin vitroでの阻害活性が100倍以上高い抗体を得ることに成功した。 胃炎モデルに加え、他のモデルを用いた解析を行った。腸管内に存在するCX3CR1強陽性のミエロイド系細胞が腸炎の発症を抑制すること、またこの細胞集団がPD-L1を強く発現しているもののPD-1シグナルは抑制機能には関与しないことを明らかとした。また、BALB/c-PD-1欠損マウスの胸腺を新生仔期に摘出することにより誘発される自己免疫性肝炎モデルの解析から、TNFを介したCCL20の肝臓における発現増強が、肝炎の発症に必須であることを明らかとした。さらに、抑制性Fc受容体FcγRIIBとPD-1の二重欠損マウスが間質性膀胱炎を自然発症すること及びTNFの発現が膀胱と胃において上昇していることを見出した。これらの結果から、PD-1欠損マウスが発症する自己免疫症状にはTNFが重要な役割を果たすことが示唆された。
|
Research Products
(9 results)