2010 Fiscal Year Annual Research Report
自然発生インターロイキン17産生ガンマデルタ型T細胞の抗原認識と分化機構
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021032
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
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Keywords | γδ型T細胞 / IL-17 / HES-1 / Notch 1 / STAT-3 / RORγt |
Research Abstract |
成体マウスにおいてIL-17産生γδ T細胞は脾臓、肺、腹腔内、腸粘膜固有層に認められ、特に子宮上皮内γδ T細胞はほぼすべてIL-17産生能を有していたが、皮膚や腸管上皮間に局在するγδ T細胞はIL-17産生能を有していなかった。一方胎児胸腺ではすべてのγδ T細胞レパトアがIL-17産生能を有していた。Th17細胞分化に必須の転写因子であるSTAT3およびRORγt欠損マウスの胸腺ではIL-17産生γδ T細胞は野生型マウスと同程度存在していた。IL-17産生γδ T細胞cloneを作製し網羅的解析を行った結果、Notchシグナルのターゲット分子のひとつであるHES1の発現がIL-17産生γδ T細胞clone特異的に高かった。IL-17産生γδ T細胞は特異的にHES1およびNotchlを発現していた。HES1欠損マウスではIL-17産生γδ T細胞分化が著しく低下し、HES1の過剰発現によりγδ T細胞からのIL-17産生が誘導された。以上の結果より、末梢組織において分化誘導されるTh17細胞とは異なり、自然発生IL-17産生γδ T細胞はSTAT3、RORγt非依存性に胸腺にてIL-17産生能を獲得することが明らかとなった。さらに我々は自然発生IL-17産生γδ T細胞の機能分化にはHES1が必須であることを見いだした。HES1のIL-17産生γδ T細胞の機能分化 機構は不明であるが、HES-1は転写抑制因子として知られており、IL-17産生γδ T細胞が分化途中の細胞である可能性も示唆されており、Th1細胞分化への抑制にはたらいている可能性も考えられる。
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