2010 Fiscal Year Annual Research Report
空間統計臓器モデルと超画素値空間モデルに基づく高精度画像理解と胸部CTへの応用
Publicly Offered Research
Project Area | Computational anatomy for computer-aided diagnosis and therapy :Frontiers of medical image sciences |
Project/Area Number |
22103503
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
滝沢 穂高 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (40303705)
|
Keywords | 医用画像 / 画像診断支援 / 空間統計解析 / 臓器モデル / 画素値空間モデル / 画像理解 / 胸部CT / 医工学 |
Research Abstract |
本研究では主に以下の2項目について研究をすすめ,成果が得られたので報告する. 健常者の胸部X線CT画像から肺臓器領域を抽出し,さらに肺血管(動脈と静脈)領域を抽出し,その肺血管領域の肺臓器各所における大きさ(半径)を統計解析することによって,肺臓器モデルを構築した.この肺臓器モデルの統計値を,従来から我々が開発を進めているモデルマッチング法の血管モデルの確率分布のパラメータとして利用することによって,より高精度に肺結節(がん)を検出する画像理解手法を開発した.実症例画像98症例に適用し,一症例あたりの偽陽性数(非がん陰影をがん陰影と間違えて認識した数)を従来手法の14.3個から6.9個に減少させることができ,精度向上を確認した. 胸部X線CT画像に,同心円領域内画素値のクラス間分散を指標値とする検出フィルタを適用することで肺がん陰影の初期候補を検出し,得られた候補陰影を含む関心領域内の全ての画素値自身を特徴量とし,サポートベクターマシンなどの機械学習の枠組みで学習と認識を行う手法を開発した.この研究では肺結節に比べ,偽陽性陰影の数が圧倒的に多いことや,肺結節陰影には直径30mmを超えるものから4mmに満たないものまで様々であることなどを考慮した前処理を導入することで精度向上を実現している.実症例画像85症例に適用し,真陽性率90%のときの一症例あたりの偽陽性数を13個程度にするなどの成果を得た. 上記の研究について,英語論文1件,日本語論文1件,国際会議発表2件,国内会議発表2件などを行った.
|