2011 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸由来肺形状変化の統計モデル構築と臨床応用
Publicly Offered Research
Project Area | Computational anatomy for computer-aided diagnosis and therapy :Frontiers of medical image sciences |
Project/Area Number |
22103504
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
羽石 秀昭 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 教授 (20228521)
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Keywords | 4DMRI / 呼吸由来変形 / 統計モデル / 横隔膜運動 / 主成分分析 / PET-CT装置 / 呼吸同期PET / 息止めPET |
Research Abstract |
23年度の研究内容として,(1)データ収集,(2)変位量算出法の開発,(3)変位量モデルの構築,(4)応用研究(呼吸同期PET画像の画質改善)を挙げていた,このうち(1)については,若干数の4D-MRIデータ収集にとどまった.これはデータ収集時間の長さが一因であったため,次期の研究で高速収集法の構築を目指すこととした.(2)については,一方の肺野CT画像における気管支の分岐などを特徴点として,他方の画像での対応点を効率よく検出する方法について,基礎的な検討を行った.(3)については横隔膜運動のモデル化を目的に研究を進めた。ここではまず,統計解析のために形状の個人差をなくす正規化方法を考案した.正規化された横隔膜形状における体軸方向の運動をモデル化するために,当初,一般的な主成分分析を適用していたが,これは汎化性の点で不十分であった.これに対し,立命館大学から提案された一般化N次元主成分分析(GND-PCA)を適用したところ,高い汎化性をもったモデル化に成功した.この研究は山口大および立命館大との共同研究として進めた.また(4)については,PET-CT装置の利用を前提に,呼気吸気CT画像群から得られた変形情報を利用し呼吸同期および息止めPET画像の変形合成を行う方法を提案した.詳細な臓器形状と呼吸性体動を数値的に表現したファントムXCATを用いて,まず計算機シミュレーションによって提案方法の有効性を確認した.さらに,臨床データにも適用して,同様に有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度の研究内容として,(1)データ収集,(2)変位量算出法の開発,(3)変位量モデルの構築,(4)応用研究(呼吸同期PET画像の画質改善)を挙げていた.このうち(1)については,若干の4DMRIデータが追加された.多数の収集のためには収集の高速化が必要であり,新規課題として次年度に取り組む.(2)については基礎的な検討に留まった.(3)については,山口大,立命館大らとの共同研究として汎化性の高いモデル開発に成功した.(4)についても,CTで得られる呼吸変位量を利用してPETの画質を改善する手法が確立できた.以上,総合的に判断して「概ね順調に進展した」と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
本課題は2年間の研究機関を終了した.この内容をレビューした結果,今後の研究の推進内容として,以下のものを設定した, (1)4D-MRI撮影法の再構築-データ収集の高速化- 多数のデータ収集が可能になるよう,応募者らが提案・実施してきた4D-MRI撮影法を高速化する研究を行う.具体的には,プロスペクティブ法,高低解像度併用法,圧縮センシング法の3案について手法を研究開発し,少なくともいずれの方法による高速撮影の実現を目指す. (2)肝臓等消化器系臓器を含めたデータ収集の実施 より広い応用に向けて,肺野のみならず体幹部消化器系臓器についても4D-MRI撮影法を用いたデータ収集を実施する.2年間で少なくとも20例の収集を目標とする. (3)体幹部変位量モデルの構築 胸腹部臓器の特徴点抽出や対応点検出,モデル化に関し「計算解剖学」他班から優れた手法が多数提案されている.これらを精査し,また適切な改良を行って4D-MRIに適用し,モデル構築を行う.これらは他班との共同研究として実施し,共著論文として発表する. (4)応用分野の継続と新展開 呼吸同期等のPET撮影における画質改善法に関し,追加データに対する処理,論文発表を行う.一方,呼吸性体動モデルの放射線治療応用の基礎研究を実施する.特に,呼吸性体動の再現性を詳しく調査し,モデルを治療計画に当てはめた際の問題点を明確化する.
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 呼吸運動を評価する2012
Author(s)
羽石秀昭
Organizer
第4回呼吸機能イメージング研究会学術集会
Place of Presentation
ピアザ淡海(滋賀県)(招待講演)
Year and Date
20120210-20120211
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