2010 Fiscal Year Annual Research Report
ファイバートラクトグラフィーによる神経線維描出の統合的検証と臨床応用
Publicly Offered Research
Project Area | Computational anatomy for computer-aided diagnosis and therapy :Frontiers of medical image sciences |
Project/Area Number |
22103508
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 直哉 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90315945)
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Keywords | ファイバートラクトグラフィー / 神経線維 / 電気生理学的検証 / 解剖学的検証 |
Research Abstract |
本研究では、運動/感覚/視覚/言語関連の神経線維について、計算解剖によるFT画像をナビゲーション搭載画像として利用し、手術時にその電気生理学的検証を行ってきた。白質近傍病変を有する患者におけるDTI撮像、FT画像の作成を標準化した方法で行い、FT画像の手術ナビゲーションシステムへ搭載した。この際、平成22年度初頭に大阪大学医学部附属病院のカルテシステムが旧来の紙ベースから完全な電子カルテシステムへと移行し、PACSシステムからのDICOM画像の効率的で安全な搭載方法を確立するのに約3ヶ月を要した。結果的にFTおよび^(18)C-methionine PET画像などを安全にナビゲーション画像として手術時に使用できる環境を整えた。上記の4神経線維の検証における研究実績は以下のようである。 1.運動線維:6症例で結果が得られた。白質刺激によるMEPで反応が得られたポイントと、ST,MT画像による神経線維までの距離は相関するとされるが、我々の3次元距離計測では、現在までに有意な相関は得られていない。 2.感覚/視覚線維:電気生理学的な検証法であるconventional SEP,VEPの精度、解析結果の解釈に疑義が生じ、新たなsubcortical SEP,VEPの開発を行った。このうちsubcortical VEPでは既に5症例で視覚刺激:白質電位測定、白質刺激:皮質電位測定に成功し、新たな検証法として報告予定である。 3.言語関連線維:5症例の覚醒手術で結果が得られた。4mAの刺激強度でFT上の線維から5.7mmから11.7mmの幅をもって言語症状が出現した。 上記4線維での検証について、引き続き症例の蓄積が必要であると考えられた。
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Research Products
(58 results)