2011 Fiscal Year Annual Research Report
診断治療支援のための脳シミュレータの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Computational anatomy for computer-aided diagnosis and therapy :Frontiers of medical image sciences |
Project/Area Number |
22103510
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮城 靖 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10380403)
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Keywords | ヒト脳アトラス / 定位脳手術 / 三次元再構築 / デジタルブレイン / 脳科学 / 解剖計算学 / 脳シミュレータ |
Research Abstract |
【研究の目的】計算脳神経科学において脳機能の概念研究や神経回路シミュレータ研究は進んでいるが,これらとリンクすべき実体解剖(肉眼および組織)モデルが存在しない.我々は工学的技術を応用し全く新しい大脳半球標本作製技術を確立した.この方法により日本人脳を用いて,定位脳手術に特化した形状可変型脳座標アトラスの開発が可能になった.本研究ではこのアトラスを拡張・発展させ,より普遍的な,脳半球全体を対象とした計算解剖モデル「脳シミュレータ」を構築する。【研究実施計画および成果】脳アトラス作製法をさらに効率化し,日本人1体の完全脳標本(連続1mmスライスでサンプリング)を平均化し,内部整合性を持つ標準的計算解剖モデルを構築する。脳表や脳室など形状全体を基準とした自由度の高い3D変形手法を確立する。この形状可変標準脳アトラスを患者脳(MRI形状)にfusionし,MRIでは同定できない顕微鏡構造(神経核,亜核)の位置を推定してテイラーメイド脳手術での検証を可能にする。MRI画像から脳形状の個人差,年齢・疾患別,人種別の脳局所萎縮係数(変形パラメータ)をMRI画像から算出しマップ化する。MRI拡散テンソル画像から白質線維の密度と方向を抽出し座標登録する。【意義と重要性】一体分の全大脳半球の完全連続なスライス標本作成・染色・組織像デジタル化蓄積作業と並行し,複数の正常人の医用画像から標準化・再構築した3Dモデルを利用すれば,世界初の計算解剖モデル「脳シミュレータ」が開発できる。この技術を中核として,臨床医学では画像診断や手術・治療シミュレーション,基礎医学では解剖学教育や法医学における外傷シミュレーション,科学産業では自動車事故シミュレーション,神経科学では神経回路シミュレータ開発のプラットフォームとなり,さまざまな分野で発展させることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本人に特化したヒト脳大脳半球座標アトラスがほぼ完成した。MRI抽出による脳表面形状モデルの作成も進んでいるが,標準化と変形がやや遅れているのみであり,おおむね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
MRI画像からの脳形状抽出・平均化・標準化作業を効率化する。現在作成中の変形アルゴリズムを用いて,標準脳モデルを外郭として組織アトラスを変形し,次世代型の脳座標アトラスへと発展させる。
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