2010 Fiscal Year Annual Research Report
電子EDM探索のための強い極性分子生成
Publicly Offered Research
Project Area | Extreme quantum world opened up by atoms -towards establishing comprehensive picture of the universe based on particle physics- |
Project/Area Number |
22104501
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥井 寿夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (40306535)
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Keywords | 量子縮退 / レーザー冷却 / 冷却分子 |
Research Abstract |
リチウム原子のレーザー冷却のための光源開発および周波数安定化のための分光系の開発を行った。光源として660nm帯の赤色半導体レーザー(Opnext HL6545MG)を用いた外部共振器型半導体レーザーを作成し、リチウム原子D2線(671nm)でシングルモード発振させることに成功した。また、周波数安定化のための周波数基準として、リチウム原子のヒートパイプオーブンを設計、作成した。Li原子によるビューポートの劣化を防ぐために、アルゴンガスを封入する必要があるが、その圧力が高すぎると衝突広がりにより飽和分光信号が劣化する。最適なアルゴンの圧力を実験的に約100mTorrと決定した。オーブン温度約300度において、約10%の線形吸収を得た。またポンプ光を円偏光にし、Li原子をスピン偏極させ、これにより誘起されたプローブ光のファラデー回転角を信号として取り出す偏光分光法により、レーザー周波数の変調なしにドップラーフリーの分散型信号を得ることに成功した。その際、バッファーであるアルゴン原子とLi原子との速度変換衝突が、偏光分光信号の傾向を大きく左右することが確認された。得られた分散型信号によって、光源を1MHz以下の安定度で周波数ロックすることに成功した。 光源開発と同時に、リチウム原子およびストロンチウム原子の熱的ビームを、数十m/sにまで減速するためのゼーマン減速器の設計および作成を行った。ゼーマン減速器の全長は約500mm、磁場はスピンフリップタイプで、磁場の最大変化は約700Gである。
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