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2010 Fiscal Year Annual Research Report

広範な屈折率領域における高透明度シリカエアロゲルの開発

Publicly Offered Research

Project AreaQuest on new hadrons with variety of flavors
Project/Area Number 22105502
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

河合 秀幸  千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60214590)

Keywords素粒子実験 / 粒子識別装置 / チェレンコフ輻射体 / シリカエアロゲル / 任意屈折率
Research Abstract

素粒子実験や原子核実験においてチェレンコフカウンターは荷電粒子の速度情報を直接得ることができる唯一の検出器である。チェレンコフカウンターでは測定したい粒子の速度βに対して屈折率nがn×β~1となる輻射体が必要であるが、常温一気圧で固体であり素粒子実験に必要な1.01<n<1.1を持つ物質はシリカエアロゲルのみである。
従来製造可能な屈折率範囲は1.007<n<1.06であったが、申請者は2009年度までの研究でこの範囲を1.003<n<1.3に広げることに成功した。この研究の中で高屈折率を得るピンホール乾燥法を発見したが、このピンホール乾燥を行えば従来製法より高透明度ゲルが得られる可能性を見つけた。
高エネルギー加速器研究機構の電子陽電子衝突実験Super-Belleでは粒子識別装置として屈折率1.06のシリカエアロゲル(厚さ4cm)を用いたリングイメージ型チェレンコフカウンターを使用する予定であるが、2009年当時の透過長は30mm程度であり、チェレンコフ光子の半数程度はエアロゲル内で散乱していた。Super-Belleで要求される最も過酷な粒子識別能力(運動量4.5GeV/cでπ/K識別99%)を達成するには、透過長50mm以上が期待されていた。
本研究初年度である2010年度は、およそ500通りの製造条件でシリカエアロゲルを製作し、光学的性質を測定した。それらの中で、アルコゲル製造時はメタノールとジメチルホルムアミドの混合溶媒・約1ヶ月間の熟成時とそれに続く1~6ヶ月間のピンホール乾燥時はエタノール溶媒・超臨界乾燥時は液体二酸化炭素溶媒の組み合わせが最も高透明度となることが判明し、屈折率1.03以上1.2まででは透過長50~60mmが安定に得られる製法をおおよそ確定した。
さらに、屈折率1.003付近の超低屈折率エアロゲルは、2009年度以前は異なる屈折率を持つ複数層エアロゲルの製作という形でのみ製作可能であったが、2010年度の研究によって単体で安定に製作できるようになった。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 宇宙塵捕集材シリカエアロゲルの開発の現状2011

    • Author(s)
      田端誠、河合秀幸、足立一郎、山岸明彦
    • Organizer
      第11回宇宙科学シンポジウム
    • Place of Presentation
      宇宙航空研究開発機構JAXA
    • Year and Date
      2011-01-05

URL: 

Published: 2012-07-19  

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