2010 Fiscal Year Annual Research Report
原子核乾板検出器によるチャームペンタクォーク探索
Publicly Offered Research
Project Area | Quest on new hadrons with variety of flavors |
Project/Area Number |
22105504
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 修 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特任助教 (20377964)
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Keywords | ペンタクォーク / 新ハドロン / チャーム粒子 / ニュートリノ / 陽子同定 / 素粒子実験 |
Research Abstract |
本研究の目的はチャームペンタクォーク探索の基礎研究である。チャームペンタクォークの探索では、ちょうどチャームが生成される程度の低エネルギーのニュートリノ反応を検出する事が重要かつ解析の出発点である。本年度はOPERA実験のニュートリノ反応の内、反応点に荷電粒子が1本しかない事象の解析を行った。ニュートリノ反応を下流のターゲットトラッカーで捕らえられた情報を元にECC最下流からイベントを解析する手法はペンタクォーク探索の場合と同じである。ECC中で荷電粒子を各原子核乾板フィルムで確認し上流に追い上げ、飛跡が確認できなくなったフィルム直上の鉛中に反応点があるとして解析を行う。飛跡追い上げ時に想定される困難さはOPERAでの低エネルギーニュートリノ反応、つまり反応点からの荷電粒子の本数が少ない時と同じである。特に反応点から荷電粒子(MIP)が1本しか出ていないような場合、追い上げてきた飛跡が止まったのは本当に反応点がそこにあった為か電磁多重散乱で角度が変わった為か、飛跡の検出効率が低くかった為かを決着する必要がある。そこで、その存在が確認されればニュートリノ反応の確実な証拠となる核破砕片の検出方法・生成率の研究を行った。OPERAのイベントでバーテックスが組めなかった約200反応とバーテックスの組めた約600反応との比較分析を行った。スキャンの角度範囲を通常の0.6rad以下の場合で約40%、角度範囲1.0rad以下で約80%の確率で核破砕片が確認した。また核破砕片の確認された割合は反応点での荷電粒子の本数には依存していない。バーテックスが組めない場合でもしかりと反応点まで飛跡が追えていた事も証明できた事になる。この手法をチャームペンタクォークが準弾性散乱等で発生した時の反応点位置を正確に決めるのに用いる。
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