2010 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度γ線と大立体角検出器を用いたペンタクォークバリオンの研究
Publicly Offered Research
Project Area | Quest on new hadrons with variety of flavors |
Project/Area Number |
22105515
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新山 雅之 京都大学, 理学研究科, 助教 (90455361)
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Keywords | 原子核 / ハドロン |
Research Abstract |
本研究は大立体角検出器Time Projection Chamber(TPC)を開発し、ペンタクォークバリオンの探査を行うことを目的としている。当該年度予算では実験セットアップのシミュレーションや読み出し回路の製作を行った。特にガス電子増幅器(GEM)を用いた新しいTPCの読み出し方法を発見し、その性能評価を行った。これは、GEMからの信号を高抵抗膜に吸収し、誘起電荷をよみだすことでTPCの読み出しチャンネル数を減らすことが出来る有効な方法である。高抵抗膜の抵抗値を調整することで位置分解能もコントロールできることを確認した。高抵抗膜の抵抗値、読み出しパッドとの間隔などによる位置分解能の変化を詳細に調べ、宇宙線や電子ビームを用いた試験から位置分解能110μmという良い値を得た。この結果をワイヤー読み出しの方法と比較し、TPCの実際の読み出し部分の試験を行った。これらの結果からTPCの読み出し基盤を製作し、TPCでの荷電粒子の飛跡測定の位置分解能の測定を行った。TPCの位置分解能は120μmと良い値を実現した。さらに角度依存性や電圧依存性などの詳しい依存性を測定した。ペンタクォークバリオンの探査に十分な分解能が得られる事を確認した。これらの結果を国際会議で発表した。
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