2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノポーラス金属触媒を用いた反応集積化法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106502
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅尾 直樹 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (60241519)
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Keywords | ナノポーラス金 / 触媒反応 / 不均一系触媒 / 有機シラン化合物 / 有機シラノール化合物 |
Research Abstract |
ナノスケールの細孔を有するナノポーラス金は、新しい不均一系触媒として最近注目されている。そこで本課題ではこの触媒を様々な反応系に展開し、有機合成化学におけるその有用性を明らかにすると共に、本触媒を反応集積化のための新しい反応場として利用して、効率的なフロー合成法の開発を目指す。まず報告者はアーク溶解炉で金銀合金を調整し、これを圧延機で厚さ30μmの薄膜にした。次にこれを硝酸に浸し銀を選択的に溶出して、平均細孔サイズ30nmのナノポーラス金を調整した。次にこの物質を、有機シラン化合物の酸化反応に適用した。有機シラン化合物は、適当な金属触媒存在下で水により有機シラノールに変換されることが知られている。しかし従来型の触媒では、適用できる基質の制限や触媒の耐久性の問題、触媒の回収操作の煩雑さなど様々な問題点を抱えていた。これに対しナノポーラス金は優れた触媒活性を示し、立体的に込み合ったトリイソプロピルシランやトリフェニルシランでも問題なく反応が進行した。ジフェニルシランやトリフェニルシランでも反応が進行し、それぞれシランジオール、シラントリオールが収率よく得られた。触媒としてパラジウムを用いると、ビニルシランやアルキニルシランの反応では、発生する水素によりそれら不飽和結合が還元されてしまうが、本反応ではそのような副反応は進行しなかった。触媒は反応終了後にピンセットで取り出すことができるため、ろ過や遠心分離などの煩雑な操作を必要としない。また回収した触媒は再利用が可能であり、少なくとも5回の繰り返し実験では触媒活性の変化は全く見られないなど、ナノポーラス金が本反応の優れた触媒として機能することを明らかにした。
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[Journal Article] Stat3 as a Therapeutic Target for the Treatment of Psoriasis : A Clinical Feasibility Study with STA-21, a Stat3 Inhibitor2011
Author(s)
Miyoshi, K.; Takaishi, M.; Nakajima, K.; Ikeda, M.; Kanda, T.; Tarutani, M.; Iiyama, T.; Asao, N.; DiGiovanni, J.; Sano, S.
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Journal Title
J.Invest.Dermatology
Volume: 131
Pages: 108-117
Peer Reviewed
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