2010 Fiscal Year Annual Research Report
フロー系を用いる骨格形成反応の開発研究
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土井 隆行 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90212076)
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Keywords | フロー合成 / マイクロリアクター / フラボノイド / 環化反応 |
Research Abstract |
本研究では,効率的かつ選択的な骨格形成を連続流通系において達成するべく,従来の有機合成に用いられるバッチ式とは異なるマイクロリアクターを活用したフロー系での合成法の開発を目的とする。従来のバッチ式ではスケールアップの都度反応条件,後処理条件の最適化が必要であるが,大きなスケールで反応条件を細かく最適化することは容易ではない。一方,工業プロセスに用いられる連続流通系での合成反応が実験室レベルにおいても達成できると,連続的に原料を供給することにより望む生成物を恒常的に得られるため,バッチ式のようなスケールアップは必要としない。そこで,フローリアクターを活用した合成法の開発を行うこととし,その足がかりとして,多様な生物活性を有するフラボノイド類の合成を目的としたフローリアクターによるγ-ベンゾピラノン骨格の選択的合成について検討した。検討の結果,出発物質であるアルキノンを,トリフルオロメタンスルホン酸を用いる酸性条件,またはジメチルアミノピリジンを用いる塩基性条件に付すことにより,位置選択的に環化反応が進行した目的とするγ-ベンゾピラノン骨格を構築できることを見いだした。また,見いだした反応条件をマイクロリアクターによるフロー合成に展開し,反応条件を精査した結果,フロー系においても望むフラボノイド類を高収率で得ることに成功した。
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Research Products
(5 results)