2010 Fiscal Year Annual Research Report
反応集積化に基づく海産マクロリド天然物の実践的全合成
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106504
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 誠 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (80235267)
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Keywords | 海洋天然物 / 多置換ピラン構造 / マクロリド / 反応集積化 / 交差メタセシス / 分子内oxa-Michael反応 / セントロロビン / イグジグオリド |
Research Abstract |
海洋天然物の中には多置換ピラン構造を含む複雑なマクロリド化合物が数多く存在し、その多くが非常に強力な細胞毒性を示すことから、新たな抗がん剤開発のリード構造として期待される。これら海産マクロリド天然物の実践的全合成を実現するためには、反応集積化を利用した合成戦略による合成ルートの短工程化・高効率化が重要である。本研究では、同一時空間反応集積化を活用したテトラヒドロピラン環の効率的合成法の開発と実践的な天然物全合成への展開を目的とした。 Hoveyda-Grubbs第二世代触媒を用いた交差メタセシス反応によるヒドロキシエノンの合成と続く分子内oxa-Michael反応を連続的に行う同一時空間反応集積化により、2,6-シス置換テトラヒドロピラン環の高効率的合成法を開発した。本反応を活用してジアリールヘプタノイド天然物(±)-セントロロビンの短段階全合成を達成した。また、同一時空間反応集積化によるピラン環合成法に、時間集積化による還元的エーテル化を組み合わせることにより、メチレンビステトラヒドロピラン骨格の立体選択的なワンポット合成を実現し、海産マクロリド天然物(-)-イグジグオリドの天然型鏡像体の最初の全合成を達成した。さらに、(-)-イグジグオリドが数種のヒト肺がん細胞に対して顕著な抗がん作用を示すことを初めて明らかとした。
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Research Products
(47 results)