2011 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素ナノバブルを活用するフロー系超高効率連続的カルボニル化反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106509
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
布施 新一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (00505844)
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Keywords | マイクロリアクター / マイクロバブル / ナノバブル / パラジウム触媒 / カルボニル化反応 / ホスゲン / 酸塩化物化 / アミド |
Research Abstract |
有機合成上極めて重要なカルボニル化合物を得られる、一酸化炭素を用いたカルボニル化反応は大変有用であるが、通常、加圧・加熱条件を要し、一酸化炭素が高い毒性を持つため、スケールアップには危険も伴う。そこで、一酸化炭素の微小泡(ナノ・マイクロバブル)を含む水を本反応の気体源として利用することにより、気液界面積が飛躍的に増大し、反応が加速するのではないかと考えた。また、マイクロフローリアクターを用いることにより、スケールアップも安全に行えるものと期待して研究に着手した。すなわち、カルボニル化アミド化反応を題材としてとりあげ、通常撹拌条件とホモジナイザーを用いて微小な泡を発生させる旋断混合条件について結果を比較した。その結果、1)気体の拡散が遅い高粘性溶媒中で行う、2)気体分子の濃度が律速段階に影響を与える反応において、旋断混合条件の方が、反応が速く進行することを初めて明らかにした。また、微小泡の寿命が当初の予測より短く、マイクロリアクター中に一酸化炭素ガスを多量に導入するのは困難であることが判明した。この結果をうけ、一酸化炭素同様、毒性のClカルボニル源であるホスゲンガスをマイクロリアクター外から導入するのではなく、系中で発生させて、そのまま消費するプロセスの開発に取り組んだ。すなわち、安全で取り扱い容易なトリホスゲンとジイソプロピルエチルアミンをマイクロリアクター内で混合し、ホスゲンを系中で発生させた。これをカルボン酸と反応させて酸塩化物を調製し、さらに次のマイクロリアクターにおいてアミンと反応させてアミドを合成する連続反応プロセスの開発に初めて成功した。
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