2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルキンの求電子的活性化に基づく連続環化反応の開発と生物活性物質の高効率合成
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106510
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
草間 博之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30242100)
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Keywords | アルキン / 白金触媒 / 不斉合成 / カルボニルイリド / 集積合成 / 不飽和カルベン錯体 / インドール / 付加環化反応 |
Research Abstract |
本研究では、適切な求核部位を有するアルキン類を白金等の遷移金属触媒によって求電子的に活性化し、分子内環化反応を実現することで遷移金属部位を有する新規な反応活性種を発生させ、さらに、これと不飽和分子との付加環化反応を連続的に実現することで容易に入手可能な基質から、生理活性物質等の合成に有用な縮環化合物を一挙に構築する集積型合成手法の開発を目指して検討を行った。 その結果、入手容易な鎖状γ,δ-イノンとビニルエーテルの混合物に室温で塩化白金を作用させると、白金含有カルボニルイリドを活性種とする分子間付加環化反応が効率よく進行し、合成化学的に有用な8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体が立体選択的に合成できることを見いだした。さらに本手法を天然物合成へと利用することを考え、光学活性白金錯体を用いた触媒的不斉合成反応の開発を検討したところ、光学活性ホスフィンであるWalphosを配位子とするカチオン性白金触媒を用いると、高エナンチオ選択的に目的の反応が進行し、Englerin Aの部分構造を一段階で合成できることを見いだした。 また,アルカロイド等によく見られる多環性インドール類の一段階合成を目指し、プロパルギルエーテル部位を有するアニリン誘導体とビニルエーテルとの反応について検討を行ったところ、白金-ホスフィン錯体を触媒として用いると、α,β-不飽和カルベン錯体中間体を経由する新規な分子間付加環化反応が効率よく進行することを見いだした。
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Research Products
(14 results)