2010 Fiscal Year Annual Research Report
空間連結を基盤とする触媒系の設計と分子モーター、高分子合成への応用
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106511
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 十志和 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40179445)
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Keywords | ロタキサン / パラジウム / 酵素様分子触媒 / 空間結合 / 近傍効果 / 分子モーター |
Research Abstract |
ロタキサンなどの分子群では、そのコンポーネントは特殊な空間的配置にあるため、輪成分中の原子と軸成分中の原子の間の相互作用の結果がその運動性などの特性として顕著に現れてくる。本研究ではロタキサンなどのインターロック分子に遷移金属を固定化し、近傍効果によって現れる相乗的な相互作用を利用した新たな分子変換反応を開発し、その結果をベースとして酵素様分子触媒や直線分子モーター、さらには新しい高分子合成法の構築を目指し検討を行った。その結果、Pdを固定化したマクロサイクル触媒を用いて、塩基存在下でアリルウレタンを有する直鎖状高分子と反応させると、迅速且つ定量的にヒドロアミノ化反応を起こして、対応するポリオキサゾリドンが得られることが明らかとなった。電子要請や立体的要因を含めた基質一般性に加え、基質の分子量依存性についても検討を行った。またその詳細な検討の結果、この反応は擬(ポリ)ロタキサンを反応中間体とする時空間集積型反応であることが分かった。すなわち、類似の非環状触媒との錯形成定数や反応速度の比較によって、高分子反応の加速効果が(1)マクロサイクル触媒の構造(トポロジー)がもたらす基質との高い錯形成定数と、(2)トポロジー構造に由来する近傍効果によって、連続反応が起こり易いという、時空間的要因によることが明らかとなった。さらに触媒が環状構造をとることで高希釈条件下での高分子反応に有利に働くことも実験を通して理解されたため、環状構造を持つ生体酵素の構造・活性との類比性についても検証した。
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