2010 Fiscal Year Annual Research Report
縮合・環化異性化タンデム型反応を利用した複素環の集積化
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106518
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大江 浩一 京都大学, 工学研究科, 教授 (90213636)
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Keywords | ビス複素環 / 5-エキソ環化 / カルベン錯体 / 薗頭カップリング反応 / ワンポット合成 |
Research Abstract |
本研究では,環化異性化反応によってビス複素環を与える前駆体鎖状化合物の合成に薗頭カップリング反応を適用したところ,縮合反応と環化異性化反が連続して起こり,一挙にビス複素環が合成できることがわかった。この反応を利用して,同一時空間集積化を行い,新規なビス複素環合成法を開発することを目的とした。 我々は,ソフトなルイス酸性を有する遷移金属触媒がアルキンを含む共役化合の5-エキソ環化を引き起し,複素環置換カルベン錯体を与えることを見出し,これまでにカルベン移動型触媒反応を開発してきた。 アルキンで連結したビスα,β-不飽和カルボニル化合物に対して,触媒量のルテニウム錯体を作用させるとカルベン錯体を経由する環化異性化反応が起こり,ビフランが得られることを見出した。 本研究では,さらに異種ビス複素環を構築するために,薗頭カップリング反応を用いてその鎖状前駆体基質の合成に着手した。しかし,予想に反し鎖状カップリング生成物ではなく直接チエニルフランが良好な収率で得られた。この結果を受けて,基質適用範囲及び触媒活性種の検討を行い、一般性のあるビス複素環のワンポット合成法を確立した。
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Research Products
(4 results)