2010 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的多成分反応・高原子効率反応の高度集積化と創薬展開
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106521
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 浩章 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (30322192)
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Keywords | 反応集積化 / インドールアルカロイド / カルバゾール / スフィンゴ脂質 / パラジウム触媒 / 金触媒 / アレン / ポリイン |
Research Abstract |
有機合成化学をより高効率な物質合成法へと再構築し、生物活性化合物を真に効率的に合成するためには、ドミノ型反応や多成分反応を含む同一時空間反応集積化により連続的に結合を形成するとともに、時間的反応集積化により可能な限り反応をワンポット化して、コスト・溶媒・廃棄物の削減を図る必要がある。報告者は、多成分反応やC-H結合活性化反応と環化反応の集積化による効率的複素環骨格構築法の開発研究を行っている。その一環として、平成22年度の本研究においては遷移金属触媒を用いた環化反応の集積化による複素環骨格の一挙構築法の開発と生物活性化合物への合成展開を行った。 1.パラジウム触媒を用いた環化反応の集積化によるErgotアルカロイド類の合成 パラジウム触媒を用いたアミノアレン誘導体の集積型環化反応により、Ergotアルカロイド共通骨格を立体選択的に構築することに成功した。本反応を鍵として、リゼルグ酸、リゼルゴール、及びイソリゼルゴールの不斉全合成に成功した。 2.金触媒を用いた環化反応の集積化による高度縮環型カルバゾールの合成 ジインやトリイン部位を有するアニリンに対して金・銀複合触媒を作用させると、ヒドロアミノ化反応とヒドロアリール化反応が連続的に進行し、一挙に高度縮環型カルバゾールが得られることを見出した。 本反応は最大で五連続反応まで進行することが明らかとなり、高度縮環型芳香属化合物を一挙に得る新規合成法としての発展が期待できる。 3.THF環構築-立体選択的官能基化反応の集積化によるJaspine Bの合成 パラジウム触媒による環化-立体選択的官能基化の集積化によるJaspine Bの合成を検討した。ブロモアレンまたはプロパルギルブロミドを基質とする集積型環化反応により、THF環構築と酸素官能基の立体選択的な導入を行い、Jaspine Bの短工程合成に成功した。
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Research Products
(26 results)